【歴代最強】ボクサーPFPランキングTOP10

全階級で体重差のハンデがない場合、誰が最強であるかを指す称号であるPFP。

前回は日本人に限定した歴代のPFPランキングを作成しましたが、今回は全世界のボクサーを対象とした歴代PFPランキングを作成しました。

階級以外にも時代の技術レベルの違いのハンデも考慮してのランキングとなります。

なお、PFPの起源であるシュガー・レイ・ロビンソンは殿堂入りとし、古すぎる選手は比較が難しく、1960年以前に活躍した選手は対象外としました。

果たして井上尚弥選手のランクインはあるのでしょうか。

目次

世界歴代ボクサーPFP最強ランキング

10位 ジェームズ・トニー

生年月日:1968年8月24日

ジェームズ・トニーは92戦77勝(45KO)10敗3引き分け2無効試合、ミドル級、スーパーミドル級、クルーザー級の3階級王者です。

マイナー団体ではありますがヘビー級でも世界王者になっています。

WBAで一時的にヘビー級王者になりましたが、これは後ほど解説します。

トニーは歴代PFPランキングではあまり名が挙がらない選手かもしれませんが、卓越したボクシングセンスを持っていて、なんといってもディフェンスセンスは歴代でも随一ではないでしょうか。

L字ガードの構えからショルダーロールで相手のパンチをいなすのが本当に得意な選手でした。

フットワークよりも柔らかいボディーワークでパンチをかわすタイプで、スウェーで引き付けての右アッパーやストレートは芸術的でした。

そのスキルはメイウェザーにも影響を与えたのではないかと言われています。

相手のジャブの軌道をパーリングでずらし、カウンターを決めるという技を使ったりしていました。

1991年にIBF世界ミドル級王者になり、6回防衛。

1993年にはIBF世界スーパーミドル級王座を獲得し2階級制覇を達成。

トニーのキャリアのハイライトとも言えるこの試合は、3階級王者のアイラン・バークレーが相手でした。

バークレーはハーンズに2度勝ったことのある名チャンピオンです。

そんなバークレー相手にトニーは一方的な試合を展開します。

バークレーのパンチをいなし、的確にカウンターやコンビネーションを当てて続けます。

バークレーのパンチはことごとく空を切るがトニーのパンチは面白いように当たる…。

まさに、ボクシングの基本である”打たせずに打つ”を具現化した試合でした。

ラウンドを重ねるうちにバークレーの顔はみるみる腫れ上がり、9R終了バークレーの棄権によりトニーのTKO勝利で幕を閉じました。

その後は、1994年に歴史的な名ボクサー、ロイ・ジョーンズ・Jrに負けるまで46連無敗という記録を残しました。

なお、この試合でトニーは「減量が上手くいかず計量直前まで利尿剤や下剤を摂取しコンディションは最悪だった。」と語っています。

この辺りまでがトニーの全盛期だったのではないでしょうか。

以降、トニーは階級をライトヘビー級に上げマイナー団体での試合を繰り返します。

2003年には、IBF世界クルーザー級タイトルマッチで、オリンピック金メダル獲得経験のあるワシリー・ジロフに判定勝ちで3階級制覇を達成。

同年、ヘビー級に階級を上げ名ボクサー、イベンダー・ホリフィールドに9RTKO勝ちします。

2005年にはWBA世界ヘビー級タイトルマッチでジョン・ルイスに判定勝ちしますが、試合後にトニーのドーピングが発覚し剥奪されています。

2017年に引退、なんと42歳まで現役を続けました。

トニーは天才型と言われ元々運動神経がよく、アメフトで大学からスカウトされるほどでした。

しかし、練習嫌いが有名で調子にムラのある選手でした。たらればになりますが、ロイ・ジョーンズ戦もきちんと減量していれば、もっといい試合になったのではないかと思います。

26歳~35歳というボクサーとして一番重要な時期にマイナー団体で試合をしていたのが悔やまれます。

卓越したボクシングセンスを評価してのランクインとなりました。

9位 フリオ・セサール・チャベス

生年月日:1962年7月12日

チャベスはスーパーフェザー級、ライト級、スーパーライト級の3階級制覇王者、最高連続防衛12回、累計防衛28回です。

そのうちライト級はWBA・WBC、スーパーライト級はWBC・IBFで獲得、スーパーフェザー級は9連続防衛、スーパーライト級は12連続防衛、90戦無敗89連勝という凄まじい記録を持っています。

しかもその90戦はダウン無しというものでした。

チャベスはスピードはありませんでしたが、異常な打たれ強さとスタミナを活かしガンガン前に出てプレッシャーをかける選手でした。

このようなファイトスタイルで90戦ダウンなしというのはありえませんね。

打たれ強さやスタミナも凄まじいですが、テクニックもすばらしい選手でした。

フットワークやヘッドロールでのディフェンス、カウンター、レバーブローも上手い選手で、それでガンガン前に来るのですから相手としてはとても厄介だったでしょう。

ハイライトは1987年のエドウィン・ロサリオとの2階級制覇をかけた試合です。

ロサリオは後の2階級制覇王者の強敵です。

チャベスはダッキングで距離をつめ、レバーブローやオーバハンドでプレッシャーをかけ続けます。

ロサリオのパンチをダッキングやロープワークでかわし、多少の被弾は物ともせず頭をつけてガシガシ打ち続けました。

次第にロサリオの目は腫れ上がり、11RチャベスのTKO勝利となりました。

この試合はチャベスのディフェンス、タフネス、圧力などチャベスの強さがよく現れた試合でした。

ロサリオ、ラミレス、カマチョなど強敵に勝利、ウィテカーに引き分け防衛した点、複数階級制覇、90戦無敗の実績、打たれ強さとスタミナはもちろん、それだけに頼らないテクニックを評価しました。

8位 ロベルト・デュラン

生年月日:1951年6月16日

デュランはライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級、ミドル級の4階級制覇王者です。

特にライト級での強さは別格で、71勝1敗という戦績でWBAライト級王座を12防衛しました。

その防衛の中には、日本でおなじみのガッツ石松さんもおり、歴代のライト級ボクサーでも最強として名が挙がる選手です。

”石の拳”と呼ばれる強打を武器に、アグレッシブで闘争心あふれるファイトスタイルでKOの山を築きあげました。

レナード、ハーンズ、ハグラーらと共に、黄金の中量級四天王と呼ばれ80年代の中量級を盛り上げました。

強打にばかり目が行きがちですがディフェンスやテクニックもあり、インファイトながら相手のパンチを外すのが得意な選手でした。

ライト級時代は、レイ・ランプキン等の実力者を相手に、10連続KOを含む11度の防衛。

初黒星を喫したエステバン・デ・ヘススに12RTKOでリベンジを果たし、WBA・WBC統一王者となります。

ハイライトは1980年のシュガー・レイ・レナード戦でしょう。

黄金の中量級四天王の一人、レナードが四天王の中で負けたことのある選手はデュランのみです。

デュランがWBCのウェルター級タイトルをかけて挑んだこの試合。

リーチ差は20センチでデュランが短く、下馬評ではテクニックやスピードでレナード有利だったこの試合は、デュランがレナードのスピードについていきプレッシャーをかけていきます。

2Rに左フック、4Rに右ストレートなど時折ビッグパンチをヒットさせ、レナードをぐらつかせます。

多少被弾しても打ち合いでは打ち勝つなどレナードを圧倒。

3-0の判定勝利をおさめました。

その後、レナードに負け、ハーンズやハグラーにも負けを喫しますが、デュランは四天王の中では小柄でライト級がベストな階級であったことを考えると不利であったとは思います。

戦績、ライト級での圧倒的な強さ、パンチ力だけに頼らないテクニック、闘争心の強さ、レナードに勝利した点を評価しました。

7位 マービン・ハグラー

生年月日:1954年5月23日

ハグラーは12連続防衛の元WBC・WBA・IBF3団体統一世界ミドル級王者です。12連続防衛のうち11KOです。

当時はWBOという団体はなく、この3つがメジャー団体だったため全団体統一王者になります。

ハグラーはもっと上の順位だろうと思う方も多いかもしれません。ミドル級では歴代最強との呼び声も高く、7位にするのが勿体ない選手です。

当時、同じく黄金の中量級と呼ばれていたレナード、デュラン、ハーンズのような派手な言動は好まず、現役時代は酒や煙草はもちろん、菓子やコーヒーすら口にしないストイックな生活を送っていました。

無駄のないボディ、そのキャラクターも個人的に非常に好きな選手です。

ハグラーの強さを一言で表すのは非常に難しいです。

右利きのサウスポーであるコンバーテッドサウスポーで、両手から放たれるパンチは強力で、テクニック、パワー、スタミナ、打たれ強さ、メンタル、抜けがなく全てのボクシングスキルがハイレベルです。

一度だけダウンを喫したことがありますが本人はスリップと言っています。

ハグラーは比較的早いキャリアで2敗しましたが、それ以降はレナードに負けるまで36連勝1分でした。

その1引き分けは、1979年WBA・WBC世界ミドル級王者ビト・アンツォフェルモとの世界初挑戦によるものでした。

翌年、1980年には同王者アラン・ミンターに3R1分45秒TKO勝ちでWBA・WBC世界ミドル級王者となりました。

1981年にはアンツォフェルモに4R終了時棄権によるTKO勝ちで雪辱をはたしています。

その後、1983年にウィルフード・サイピオンにKOを勝利しIBF世界ミドル級王座を獲得。3団体統一王者となります。

当時ライバルだったデュランに判定勝ち、ハーンズに3RKO勝ちをおさめます。ハーンズ戦は壮絶な壮絶な打ち合いでした。

レナードには判定2-1で破れましたが、この3人は歴代PFPでも名が上がるほどの名選手で、そのうち二人に勝利したことは評価されるべきでしょう。

この4人が同じ年代に近い階級にいたという贅沢な時代でした。

レナードとの試合では、レナード陣営はリングの広さ(より広く)、グローブの大きさ(8オンスから10オンス)、ラウンド数(15ではなく12)の変更を要求。

ハグラーにとって不利な条件でしたがハグラーは渋々受け入れた形でした。

レナードの判定に納得いかなかったのかハグラーはこの試合で引退を決めました。

当時32歳、まだまだ活躍できたと思いますが、その潔さもハグラーらしいのではないでしょうか。

層の厚いミドル級で全団体統一王者、ランキング1位やチャンピオン、強敵相手に12連続防衛11KO、全てがハイレベルなボクシングスキルを評価しました。

6位 シュガー・レイ・レナード

レナードはウェルター級、スーパーウェルター級、ミドル級、スーパーミドル級、ライトヘビー級の元5階級制覇王者です。

うち、ウェルター級はWBA・WBC統一王者で、オリンピックでは金メダルを獲得しています。

なお、スーパーミドル級とライトヘビー級の2階級については、ライトヘビー級王者のラロンデをスーパーミドル級まで体重を落とさせてのスーパーミドル級王座決定戦に、ラロンデの持つライトヘビー級王座も賭けられるという、極めて異例の試合だったので通常の5階級の価値とは異なるかもしれません。

レナードはウェルター級歴代最速とも言われるスピードで、フットワーク、ラッシュのハンドスピードは凄まじいものがありました。

スピードとテクニックは黄金の中量級四天王の中でも随一だったと思います。

また、四天王の中で全員に勝ったことのある選手です。

デュランには一度判定で破れますが、半年後すぐに再戦。

アウトボクシングでデュランにリードし続け8R、デュランが「ノーマス」と試合放棄。

レナードのTKO勝利となりました。

当時無敗のハーンズとはWBA・WBCウェルター級王座統一戦。

13Rまでリードを許したレナードですが、13Rにロープに押し込みダウンを奪い、14RにラッシュによるTKOで逆転勝利します。

その後、網膜剥離により引退しますが5年後に復帰。長いブランクの後に選んだ相手はあのハグラーでした。

前年にハグラーの試合を解説していたレナードは勝てると確信し、復活を決意したのでした。

僅差の判定勝ちでWBC世界ミドル級王座を獲得しました。

諸説あるとは思いますが、5階級制覇や黄金の中量級四天王に勝利したこと、当時圧倒的なスピードとテクニックを持ったボクシングスキルを評価してのランクインとなりました。

番外編1

ここで番外編として、今回ランキングの対象外とした1960年以前に活躍したレジェンドボクサー達を紹介します。

シュガー・レイ・ロビンソン

生年月日:1921年5月3日

ロビンソンはPFPの起源と言われている、2階級制覇王者です。

1940年代半ばにおいて、すでに現代のボクシング技術と比しても遜色のないリズミカルなフットワークやジャブ、左フックのダブル・トリプルコンビネーションなどを当然のように駆使した技術的先進性。

モハメド・アリやシュガー・レイ・レナードの先駆けともいえる華やかなボクシングスタイルとスター性。

そして同時代を生きた強豪とことごとくグローブを交え、そのほとんどを打ち破り、歴史に残る数々の名勝負、芸術的ノックアウトシーンを実現した圧倒的実力。

いずれをとっても史上屈指の万能な存在であり、前述のレナードをはじめ、後世の名選手達に多大な影響を与えました。

ジョー・ルイス

生年月日:1914年5月13日

ジョー・ルイスは8階級しかなく、団体も一つだった時代にヘビー級王座を25回連続防衛、11年間守り続けた選手です。

この記録は今も破られていません。

パワーだけでなく、正確でキレのあるパンチで69勝55KO3敗の戦績を残しました。

ロッキー・マルシアノ

生年月日:1923年9月1日

ロッキー・マルシアノは49戦49勝43KO、無敗の戦績で、ヘビー級では唯一無敗のまま引退した王者です。

その勝利の中には先ほど紹介したジョー・ルイスからの勝利も含まれます。

現代ならウェルター級で戦っていたであろう小さな体格ながら、強力なパンチを持った選手でした。

5位以降は後日追記いたします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

自分が思っているランキングと違う、なんであの選手が入っていない?と思った方も多いと思います。

元々比較の難しいランキングであり、戦績、単純なボクシングスキル、戦ってきた相手、功績、KO率など何を基準にするか、個人の好みによっても大きく変わると思います。

是非皆さんの考えるPFPランキングもコメントで教えて下さい。

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