なぜルイス・ネリ、カシメロは日本人に嫌われているのか

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2024年5月6日、井上尚弥と戦うことが決まっているルイス・ネリ。

ルイス・ネリ、ジョンリル・カシメロ、日本のボクシングファンなら一度はこの名前を聞いたことがあるかもしれません。
しかし同時に、この二人のボクサーにいい印象を持たない日本のボクシングファンが多いのは事実です。

今回はなぜ、日本のボクシングファンにネリ、カシメロが嫌いな人が多いのかを解説していきます。

目次

なぜルイス・ネリ、カシメロは日本人に嫌われているのか

井上vsフルトン戦後に、大橋会長が「盛り上がる」として、タパレス戦後の対戦相手の候補の一人として挙げ、タパレス戦後にも井上選手が次戦相手の候補として挙げていたのがルイス・ネリです。
そして、ネリのプロモーターであるフェルナンド・ベルトランは2024年5月に東京ドームで対戦する計画が練っていることを明かしています。

元WBC世界バンタム級王者。元WBC世界スーパーバンタム級王者のニ階級制覇王者で戦績は35戦34勝26KO1敗。
身長165センチ、リーチ169センチ。
唯一の黒星は、フルトンに負けたフィゲロアから喫したものです。

ネリは2023年2月にホバニシャンとのWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦に勝利。
7月にサルダールに2RTKO勝利し、WBCから井上尚弥vsタパレスの戦勝者の指名挑戦者に命じられ、井上選手の有力な次期対戦候補です。

悪童の異名を持つネリは、多くの日本のボクシングファンから反感を買っており、井上選手もTwitterで怒りを露わにしていたことがあります。

ネリと日本ボクシングファンの因縁は2017年に遡ります。
当時、WBC世界バンタム王座を12連続防衛していた無敗の山中慎介選手。
2017年8月15日、具志堅さんと並ぶ13連続防衛の記録をかけての試合の相手に選んだのがネリになります。

結果は山中選手が4RTKOで初の黒星を喫するとともに、連続防衛記録が途絶えます。
しかし問題はその約1週間後に発覚します。

この試合に先立って行われたドーピング検査で、ネリの検体からクレンブテロールに非常に酷似した禁止薬物のジルパテロールに対する陽性反応が出たのです。
リングマガジンはネリからリングマガジン認定王座を剥奪して、山中選手が同王座に復帰したことを発表。

2017年10月31日、結局WBCは「故意にジルパテロールを摂取したという確証が得られず、汚染された食品により摂取した可能性がある」としてネリに対する処分はせず、山中とネリに対し再戦するよう指令。
(併せてWBCが進行するクリーン・ボクシング・プログラム(CBP)で、ネリに対するドーピング検査が2017年7月27日に行われ、同年8月22日にA検体からジルパテロールに対する陽性反応が出たとVADAから通知を受けたこと、ネリが検査を要求しなかった為にB検体は検査されなかったこと、ネリはこれまでCBPで4回受けたドーピング検査が全て陰性反応で、ジルパテロール検出後に日本で受けた3回のドーピング検査も全て陰性反応だったことなどが説明されました。)

なんとも後味の悪い形でタイトルを奪われた山中選手ですが、2018年3月1日、再び相まみえることになります。

しかし、またしても問題が起きてしまうのです。

前日計量でネリはなんと2.3キロのオーバー。2時間後に再計量するも1.3キロオーバー。
これには山中選手が「ふざけるな」と珍しく怒りを露わにし、悔し涙を流します。

この時点で王座は空位となり、山中選手が勝った場合は王座獲得、負けた場合は空位になるということで試合は行われることに。
結果は2R1分3秒TKOで、山中選手が雪辱を果たすことはできず、この試合を最後に引退。

この一連の出来事で、JBCはネリを招聘禁止、日本での事実上の永久追放処分である無期限の活動停止処分を課しました。

そんな胸糞悪い出来事で、多くの日本のボクシングファンはネリに対して怒りを持っているのです。

ネリはその後も、パヤノ戦の計量で体重オーバーし、再計量でクリア。
エマヌエル・ロドリゲス戦でも約0.45キロオーバー(実際は0.8キロとも)し、ロドリゲス側が試合をキャンセル。

後に、トレーナーのフレディ・ローチが、ネリが計量前日にレッドブルを飲んでいたことを暴露。

確信犯的な体重超過を度々犯しています。

以前から井上選手を挑発していたネリですが、この体重超過に対して井上選手は

「ネリどうしようもねぇな、、また計量失格
こんな奴にゴタゴタ言われたくない。ボクシング界から追放でいい」
と、怒りのツイート。

そんな因縁があり、大橋会長が「盛り上がる」対戦相手として挙げたのがネリなのです。

素行の悪いネリですが、実力は確かでパワーのある左右のフックで34勝のうち26KOを記録しています。

2023年2月にはWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦に勝利し、井上vsタパレス戦を観戦したネリ。
その際「井上の倒し方を知っている」と語り、完全に井上選手との試合を意識しているでしょう。

ネリと井上選手の対戦のニュース以降、ネリはXでそのニュースを頻繁にリポストしたらり、井上vsタパレス戦を引用し
「勝者を待っています」と投稿。
さらに、日本での自分の好感度を知ってか知らずか
「日本は私の第二の故郷」
と投稿していました。

ネリのプロモーターは2024年5月に東京ドームで対戦する計画を立てています。
井上選手はここ3試合、1万5000人のキャパの有明アリーナでの開催が続いていますが、10倍以上の応募がありもっと大きな会場での開催が望まれているのが事実です。

その場合、JBCはネリを日本に招聘禁止としていますが、JBC事務局長は
「ゼロではない。永遠に活動停止ということはない。申請があれば要検討となる。ネリだからではなく誰でも、資格審査の規定に従うとライセンス取り消しは5年間、ライセンス無期限停止は3年間で再申請ができることになっている。だから、当然ネリの再申請は可能ということになると思う。世界的にいうと、永遠に日本で試合ができないというのは常識的ではない」
と、ネリの申請があれば可能性があると語り

「無期限停止というのは期限が決まっていないということで、1年で解除したこともある。その後、ネリがドーピングやウエートオーバーを繰り返しているようであれば、当然望ましくないけど、そうではない。今後申請がくるんじゃないかと思う」
と、ここ数試合ネリが体重超過を犯していないことも影響しているようです。

日本のファンからの反発については
「ネリのアンチが多い肌感覚はある。日本のボクシングファンは本当に厳格。それは良いことだと思う。海外ではあり得ない」
と、語りました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c8ee8ec5d6a87640fbbf113e36440765fd7dab5dより

対戦自体してほしくないという日本のボクシングファンもいる一方、井上選手に山中さんのカタキを取ってほしい、成敗してほしいという声もあります。

山中慎介さんは、井上選手の次戦の候補、ネリ、カシメロ、アフマダリエフについて
「個人的には頑丈なアフマダリエフとの対戦が見たい。タフな相手にどうダメージを与えて、どう倒していくのか今から興味津々だ。」
とネリよりもアフマダリエフのほうが見応えがあるとしながらも、ネリについても触れ
「日本のボクシングファンはネリとの対戦を一番見たいはずだ。私が2度負けた相手だが、はっきり言って尚弥とはレベルが違う。パンチの回転は速いが、粗さがある。ディフェンス能力も高くない。むしろタパレスよりスキの多い選手だと思う。そのタパレスはアフマダリエフに勝って尚弥との対戦が実現した。やはり、尚弥の実力は抜けている気がする。」
https://hochi.news/articles/20231226-OHT1T51251.html?page=1より

と、井上選手とは差があると語ります。

いい意味でも悪い意味でも日本では盛り上がると思いますが、皆さんはこのカード観たいでしょうか?

ジョンリル・カシメロ

ライトフライ級、フライ級、バンタム級の三階級制覇王者で、37戦33勝22KO4敗。
身長163センチ、リーチ164センチです。

カシメロもまた、大橋会長が「盛り上がる」として、対戦相手の候補の一人として挙げ、井上選手と因縁のある選手です。

両者がバンタム級時代、井上選手が持っているWBA・IBFのベルトとカシメロが持っているWBOのベルトをかけて、2020年3月に戦う予定でしたがパンデミックの影響により中止、立ち消えとなります。

その後、カシメロやカシメロのプロモーター・ギボンズ氏が井上選手を亀呼ばわりし、度々挑発を繰り返します。
ドネアと統一戦が決まり、その勝者が井上選手と戦うという話が出ていましたが、カシメロがドーピング検査の書類提出が遅れた、とドネアが主張(双方に言い分あり)し試合はキャンセルとなります。

これに井上選手は

「カシメロ君はもう大口を叩く事はないでしょう。 ドーピング検査を回避する奴に資格などねぇ。。 お疲れでした。」
と呆れた様子でツイート。

リゴンドー戦では勝利後に
「リゴンドー、ドネア、次はイノウエだ!」
とカメラに中指を立て挑発。

この試合をゲスト解説で見ていた井上選手は
「この試合は(対戦したいので)カシメロを応援しながら見ていましたが、最後ああいう態度されたら……自分がたたきのめしたいと心の底から思いました。日本ファンの期待に応えたい。いち早くカシメロとやりたいなと。カシメロ、倒します。問答無用に倒します。ただ勝つだけじゃなくああいうことしてもらえるとモチベーションも上がりますし」
とコメントし
”リスペクトのない奴は叩きのめす
以上。”
とツイート。

ポール・バトラーとの防衛戦が決まりますが、前日計量をウイルス性胃腸炎のため欠席し、試合は中止に。バトラーとの防衛戦が再設定されたものの、今度は英国ボクシング管理委員会の医療ガイドラインで禁止されている、試合直前のサウナを使用しての減量を行っていたことが発覚したため、またも試合中止に。

カシメロの度重なる試合キャンセルを重く見たWBOは、カシメロの王座剥奪を決定します。

結局、バンタム級で両者が戦うことはありませんでしたが、現在二人ともスーパーバンタムに階級を上げ、大橋会長が対戦相手の候補に挙げると同時に、井上選手自身が対戦を希望している選手でした。

しかし、カシメロは2023年10月小国以載選手と戦い、4R偶然のバッティングにより負傷引き分けに。
内容もボディを効かされるなど、井上選手と勝負論が出てくる内容ではありませんでした。

カシメロ本人は
「小国があんなものなら井上戦は楽勝だ。次は井上とやりたい」
とコメントしましたが、これにより機運が下がったのは確かで、井上選手も「カシメロ、イマイチでしたね」と語り、
大橋会長は「(カシメロは)もう1回試合をしてもらって、豪快に倒してもらわないと。再戦してもらうのも良い」と苦言を呈しました。
しかしながら
「間違いなく来年の井上の対戦相手の候補ではある。今日はあまり良くなかったけど、1ラウンドに見せた迫力は、尚弥とやったらスリル満点だろう。思いっきりが良いし、試合は面白い」
と、まだカシメロとの対戦を考えているようです。

ネリ、カシメロ両者に言えることが勝敗の心配よりも、無事に開催されるかの心配が大きいことです。
両者、試合外でトラブルを起こしてきた常習犯で、もし井上選手との試合が中止となったら経済的にはもちろん、貴重な井上選手の試合、時間を奪うことになりかなりハイリスクとなります。
仮に計量オーバーされ、無理に開催したとしても山中選手の件もあり、スッキリしない胸糞悪い気持ちのまま試合を観なければいけないことになります。

ストーリーはありますが、勝敗とは違う意味でリスクのある選手と言えるでしょう。

日本のファンは減量失敗に対して厳しい人が多く、何度も減量失敗したり、トラブルを起こしながらも挑発を繰り返す二人には怒りを覚えている方も多いでしょう。
皆さんはこの二人と井上選手のカード観たいでしょうか?
実現したら、国内ではかなりの話題、盛り上がりになることは間違いありませんね。

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