【格闘技】とんでもない体重差、身長差をはねのけた試合【奇跡】

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かつて日本で盛んだったとんでもない体重差での試合。
今では考えられないようなマッチアップの中、不利なはずの小柄な方の選手が見事に勝利した試合を紹介します。

目次

とんでもない体格差をはねのけた試合【奇跡】

ホイス・グレイシー vs 曙

ホイスは身長185センチ体重81キロで、曙は203センチ220キロ。
身長差18センチ、体重差139キロというとんでもない体重差のマッチメイクです。

ホイスはUFC第一回大会から出場しており、その頃から体重差を跳ねのけ3回優勝しています。
しかし、今回ほどの体重差の試合は初めてでしょう。

一方曙は相撲で初の外国人横綱まで上り詰めた力士で、その体重は力士の中でも重い方でした。
キックルールの試合は2回ありますが、総合ルールは今回が初めてです。
試合前、曙は「つかんで殴れるんだよ」と嬉しそうに語ります。

技術で上回るホイスが勝つという声がある中、さすがにこの体重差は無理じゃないかという声もある試合でした。
しかし、ホイスはこう答えました。
「小さい男が大きい男とどう戦うのか?グレイシー柔術の秘技をお見せしましょう」と。

試合が始まると、すぐに曙が上になります。
このまま曙が体重差を生かしてグランドコントロールするのかと思われましたが、ホイスが横に抜けて立ち上がります。

両者、間合いを取って見合いますがホイスのローキックから再び曙が上になります。
コツコツとパンチを当てるホイスですが、曙は戦い方がわからないのか仕掛けられません。

するとホイスは下からオモプラッタ(脚で相手の腕をコントロール)でパンチを浴びせます。
そして、曙の左腕をロックするとアームロックからリストロックを極め、曙タップアウト。
1R2分13秒、あっという間の一本勝利です。

圧倒的な体重差を圧倒的な技術と経験が上回った試合でした。

アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ vs ボブ・サップ

この試合は身長191センチ体重105キロのノゲイラと、200センチ160キロのサップの体重差55キロのマッチメイクで、格闘技史に残る試合です。

柔術マジシャンの異名を持つノゲイラは当時ヘビー級チャンピオンで、マーク・コールマン、ヒース・ヒーリング、ゲーリー・グッドリッジなどの強豪を倒し無双状態でした。

一方サップは総合で2試合、両方を1RTKOで勝利しており、そのパワーと勢いにノゲイラのテクニックが通用するのかという試合でした。

試合が始まると、サップがいきなりのノゲイラのタックルを切りパワースラムを決めます。
誰が見てもそのパワー差は明らかでした。
サップは上から力で押さえつけパウンドを放っていきます。

サップが体重差をいかし上から攻める展開が続きます。
途中、ノゲイラが上を取る場面もありますがパワーで跳ね返されてしまいます。
下から寝技を決めたいノゲイラですが、サップの圧力の前になすすべがありません。
サップ優勢のまま長い1Rが終了。
この試合1R10分のルールでした。
ノゲイラの目は腫れ上がり出血がみられます。
ノゲイラのセコンドは「大丈夫、奴はじきに疲れてくる。もう少しの辛抱だ。」と声をかけます。
大きく息をするサップも目をカットしており、まさに死闘です。

2R、ノゲイラが打撃で攻めます。
しかし柔術マジシャンノゲイラの真骨頂は寝技。サップに押されます。
またも上になるサップですが1Rのような勢いのパウンドが見られません。
ノゲイラのセコンドが予見していた通り、疲労してきたのは明らかです。

隙きをみてノゲイラが三角絞めを狙いますが、怪力によって阻止されます。
何度かチャレンジしますが、ただでさえ身体が大きく脚が周りにくい上にこの怪力では、さすがのノゲイラも三角絞めを極(き)めることができません。
アームロックを狙うもサップには極められません。
しかし、1Rよりもノゲイラが攻める場面が多くなってきました。

ノゲイラがサイドポジションを取りパウンドを当てると、サップが明らかに嫌な顔をします。
そして、一気に腕ひしぎの体制になるとサップの腕を剥がし、サップはすぐにタップ。
会場は爆発したような大歓声。ノゲイラの一本勝利となりました。

柔術マジシャンが追い詰められながらも、野獣狩りに成功した瞬間でした。

ミノワマン vs ボブ・サップ、チェ・ホンマン(チェホンマンと読む)、ジャイアント・シルバ

あり得ない体格差で勝利した選手と言えばこの人、ジャイアントキラーミノワマンからは3つの試合を紹介します。

ボブ・サップ

ミノワマンは身長175センチ、体重92キロと元々ヘビー級の中でも小柄なベテラン選手です。
サップとは身長差25センチ、体重差55キロで、サップがノゲイラと戦ったときよりも大きい差でした。

この試合はDREAMスーパーハルクトーナメントという無差別級の一回戦で行われました。

試合が始まると、ミノワマンが片足タックルに行きますがサップが切り、上から潰すようにテイクダウンを取ります。
この試合が行われたのは2009年で、サップはノゲイラと対戦した2002年の時よりもグラウンドの攻防が上手くなっています。
しかし、ミノワマンが上になると脚を中に入れ得意の足関節の体制に入り、アキレス腱固めを極めるとサップはすぐにタップ。
1R1分15秒、ノゲイラですら手こずったサップ相手にあっという間に一本を取ったのでした。

チェ・ホンマン

続いてはチェ・ホンマンとの対戦です。
チェ・ホンマンは身長218センチ体重160キロで、身長差43センチ、体重差68キロのマッチメイクです。

並んでるところを見ても違和感しかなく、試合が成立するのかすら不安になります。
この試合はスーパーハルクトーナメント準決勝になります。

試合が始まるとミノワマンのタックルは切られ、チェ・ホンマンに上を取られますが足を掴みテイクダウンに成功。
しかしチェ・ホンマンの力技でひっくり返されます。
そして、再び片足タックルからテイクダウン。
チェホンマンがキックの選手といえど、この巨体をトップコントロールするのは見事です。

そして2R、一瞬の隙きをついて足を取ると、ヒールホールドを極めチェ・ホンマンたまらずタップ。
ミノワマンはこの後の決勝も勝利、トーナメント優勝をはたします。
またも見事、巨漢を下から崩してみせたのでした。

ジャイアント・シルバ

続いてはジャイアント・シルバとの試合です。
ジャイアント・シルバはチェ・ホンマンを超える、身長230センチ体重180キロの超巨漢です。
身長差65センチ、体重差88キロというとんでもない体格差です。

試合が始まり、リングで対峙している様子を見るとCGのようにさえ思えてきます。
両者見合う時間が続きますが、ミノワマンが前転タックルからテイクダウンに成功します。
この巨体を見事にトップコントロールするミノワマン。
サイドポジションを取るとボディを入れていきます。
そしてボディ、顔面に膝を立て続けに入れたところでジャイアント・シルバがタップ。
ミノワマンのTKO勝利となりました。

ジャイアントキラーの名にふさわしい戦いでした。

エマニュエル・ヤーブロー vs. キース・ハックニー、高瀬大樹(たかせ だいじゅ)

続いては、世界最重量のアスリートとしてギネスブックに載ったヤーブローから2試合紹介します。

ヤーブローは相撲をバックボーンとした選手で身長203センチ、ハックニーと戦ったときは体重280キロ、高瀬選手と戦ったときは310キロといわれています。

キース・ハックニー

ハックニーは身長180センチ体重90キロ、ヤーブローとは身長差23センチ、体重差190キロ差です。
体重差100キロ超え、3倍以上の体重です。

この試合はUFC3大会目で、初期のUFCは金的、目潰し、噛みつき以外なんでもありで、素手での戦いです。

試合が始まると、ハックニーが掌底をヒットさせダウンを奪います。
すぐに追撃しますが、逆にバックを取られ猛反撃を受けます。

立ち上がり、ヤーブローを抑え込もうとしますが、ヤーブローのひと押しでケージのドアの外に軽々と吹き飛ばされてしまうハックニー。
これが体重差100キロ超えの威力です。

試合が再開されるとサイドキックを入れ距離を取ります。
足を取られますが、がら空きのヤーブローの顔面にパンチを浴びせ、倒れたところに鉄槌をこれでもかと打ち続けます。
現代では反則の後頭部への攻撃も何発も入ります。

何十発と打っているでしょう。
ヤーブローがレフェリーの方を向いて何か言っています。
ギブアップしたのでしょうか、レフェリーは試合を止めました。

まだ総合格闘技のルールも戦い方も確立されていない時代、異種格闘技戦の匂いの強い試合でした。

高瀬大樹

続いては高瀬大樹選手との試合です。
高瀬選手は身長180センチ体重84キロ、ヤーブローとは身長差23センチ、体重差なんと234キロ差です。
ついに体重差200キロオーバーです。

試合が始まると、ノシノシと近づいてくるヤーブローに対して高瀬選手はリングをサークリングしながら距離を取ります。
時々動きはあるものの、終始展開がないまま1R終了。

2Rも同じような状況で、高瀬選手ついにレフェリーからイエローカードをもらいます。
そして意を決してタックルしますが、上から潰されてしまい脚を取られます。
しがみつくだけのヤーブローですが、その体重でどうにも脚を抜けません。
しばらくこの状況が続きますが、ヤーブローが動いた瞬間高瀬選手が脚を抜きパウンドを連打。
ヤーブローはあっさりとタップし、高瀬選手のTKO勝利となりました。

動きのない展開からあっさりと決着がついた試合でした。

マイティ・モー vs. ガオグライ・ゲーンノラシン

この試合は奇跡の一撃が見られた名試合です。

マイティ・モーは身長185センチ体重130キロ、ガオグライは身長180センチ体重79キロ。
身長差はさほどありませんが、体重差53キロの試合です。

マイティ・モーは重いサモアンフックを武器にKOの山を築いたハードパンチャーです。
一方ガオグライはK-1GPソウル大会で全選手中最軽量ながら優勝。
イグナショフにも勝ったことのある実力者です。

試合が始まると、スピードで上回るガオグライが距離を取り蹴りで試合を組み立てますが、マイティ・モーがパンチを振るえば吹き飛んでしまうほどのパワー差です。
ハイキックを当てても効きません。ミドルを当てても軽く跳ね返されてしまいます。

距離を取るガオグライを追いかけるマイティ・モー。
ガオグライの蹴りを軽々と吹き飛ばします。
圧倒的なパワー差にガオグライがKOされるのは時間の問題だと誰もが思っていたでしょう。
その矢先でした。突如ガオグライのジャンピングハイが炸裂。
サモアの巨体がキャンバスに転がり落ちます。
一瞬の出来事に会場は騒然。

飛びかかるようなジャンプで全体重を乗せたガオグライのキックが、マイティ・モーのテンプルを打ち抜いたのです。
53キロという体重というハンデを覆すにはこれしかないという大技がクリーンヒット。
身体がいうことをきかないマイティ・モーはテンカウントでKOとなりました。

誰もが無理と思った体重差を一発でひっくり返した、漫画のようなKOでした。

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